第1回「Nagasaki Youth トーーーーク」のふりかえり(ゲスト:BOOKSライデン店主・前田さん)

2025年9月4日、長崎の若者がつながる夜「Nagasaki Youth トーーーーク」を開催しました。
どうも。ながさき若者会議のまおです。
記念すべき第1回目。ありがたいことに満員御礼。小さな本屋さんに若者がぎっしりわいわいと。
私はファシリテーターとして関わりました。第1回ということもあり緊張しました~(笑)
でも、とってもとっても素敵な夜だったので、私があなたにシェアハピしますね。
「Nagasaki Youth トーーーーク」とは・・・
「長崎は若者はたくさんいるはずのにまだまだ繋がれていないよね」という思いから、長崎の20~30代の若者が世代・分野・立場を越えて「つながる」場所をつくり、長崎を共に考えるきっかけとする目的でこの場がつくられました。長崎で活躍する若者をゲストにお呼びし、みんなで話を聞き、みんなで交流できるようにする場です。

もくじ
- 本日のゲスト
- 「本との出会い」目に見える世界と目に見えない世界と。
- 長崎という場で本屋を
- 「本屋として何を目指すのか」
- TO私たちへ
- 好きを疑え
- 人生には「旗」が必要
- クールとホット
- 「自分がやらなければだれがやるんだ!」
- あとがき
●本日のゲスト
前田侑也さん
大阪府出身
「BOOKSライデン」の店主
前職はシステムエンジニア。7年間の前職を経て、2021年に長崎に移住し「BOOKSライデン」を開店。BOOKSライデンは今年で5年目。最近は朝に「読書喫茶ネーデル」もされている。
どうして長崎?どうして本屋?
自分の中の気づき、私たち若者に伝えたいこと
最後にはおすすめの本まで、あつくあつく語ってくれました!
●「本との出会い」目に見える世界と目に見えない世界と。
本に興味を持ったのは大学生のころだったそう。何か身になることをしたいなと思って始めたのが「旅」と「本」。「旅」は目に見える世界の広さを、「本」は目に見えない世界の広さを知ったとのこと。「本」を読むことで知の海におぼれ、自分の無力さにも絶望しつつ、その中で批評という考えに出会ったり、リアルな人間関係では得られないような知識や考えに出会えることに面白さを感じたと話してくれました。
●長崎という場で本屋を
そんな風に大学時代、旅や本で知を深めていってた中、就活時期、いろいろな生き方や働き方がある中で、みんながそんなことを知らずに就職しようとしている姿に違和感を覚えたんだとか。「これは、自分が伝えるしかない!」と思って本屋になりたいと思うようになったと話されていました。でも、実際に本屋になったのは思い立って7年後のこと。「行動すごくありますねってよく言われますけど、7年間自分の中で思い続けてからの今だから、全然そんなことない。でも、この自分の中で考える時間は自分の中で必要だった」と話されていました。
場所は最初は決まっていなかったとのこと。
もともと、田舎へのあこがれ、小さな町や顔の見える関係にあこがれがあった。仕事をするなら、1000人に影響を与えるより、顔が見える10人に影響を与えるものでありたいと考えていたとのこと。旅でいろいろなところにいって、長崎はその一つだった。でも、長崎ではたまたま泊まったゲストハウスの店主からの熱烈なラブコールがあったそう。
「自分が本屋をやりたいです。っていったら、すっごく、えっ!って驚いて顔されて(笑)その後、めちゃめちゃ興味を持ってくれて、応援してくれました。旅行終わった後もちょくちょく連絡も下さって。それがなんだかいいなと思ってしました。」とお話されていました。(その、ゲストハウスの店主さんとはいまだに仲いいんだとか♡)
●「本屋として何を目指すのか」
本屋で何がしたいのか、大きいテーマは「希望を持ってほしい」とのこと。
それを実現するために3つ。
1つ目は「安心感を提供しよう」。
今の現代社会は孤独が社会課題であると感じる前田さん。孤独を埋めるためにSNSが使われているような気がする。でも、オンライン上は孤独を助長しているような気がすると話されていました。店を通して人とのつながりを作りたいと考えていました。
2つ目に「外側に触れてもらおう」
人生は自己の円を広げるゲームだと例え、本はその自己の円を広げるような衝撃を与えてくれると。その円が大きいほど他者と重なる部分が増えていくため大切ではないかと考えていました。
3つ目は「一緒に大人になろう」
前田さん自身、子供に世界を提示できるような大人でありたいとのこと。誰かに任せて文句ばかり言うのではなく、読書を通し、知識を得て自分たちで引き受けて社会を考えることができる大人になろうと話されてしました。
本を通して、他者とつながる、自己を広げる、世界を提示できるような大人になろうとそれがゆくゆくは希望に繋がると話されていました。
―ここからは自分の気づきから私たちへ伝えたいことを話してくださいました。
TO私たちへ
●好きを疑え
今の現代は「好き」を助長させられる環境にあると話す前田さん。SNSで好きな人同士だけで繋がれる、好きなものだけが情報として入りやすい。好きだけで固め、それ以外を排除しまうと本当の人間関係が築きにくくなる。本当の人間関係を築いていくには「好き」より「知」を広げる必要があると。「好き」より「知っている」の部分を広げることが大切だと話されていました。
●人生には「旗」が必要
自分は人生には旗となる目的が必要だと考えているそう。その旗は自分の中ではなく社会の中の課題の中にある。読書を通してその旗を見つけてほしいそうです。
●クールとホット
様々なことを考えるうえで、理論、知識的な部分(クール)感情的な部分(ホット)が大切だと。(クールとホットっていう言い方面白い、、、!)前田さん自身も哲学とか難しい本も読みつつ、小説のような本も読むことを意識しているんだとか。どっちもある人がユーモアがあるんだ!と話されていました。
「自分がやらなければだれがやるんだ!」
―最後に今回のトークテーマである「挑戦」について考えを聞いてみました。
「挑戦」は大事だとは思うけれど、別にしなくてもいいんじゃないかと。(笑)逆に「何かを挑戦しなければならない」「なにものかにならなければならない」と思う人にもそんな必要ないよって伝えたいとのこと。
それよりも、読書で「耕し」、自己を広げ、いつか「自分がやらなければ誰がやるんだ!」って思い込みでもいいから見つけられたらその時頑張ればいいと思うと話されていました。
あとがき
「自分が伝えなければ誰がやるんだ!」と思って本屋を始めた前田さん。
軽く話す前田さんですが、この一言の裏側にたくさんの考えや思いがあるんだと話を聞きながら感じました。前田さんの1つ1つの言葉にすごく重みがあって、本を通していろいろなことを得てきたんだろうと感じられるものでした。本を売りたいから本屋になるではなく、本を通してみんなに希望を持ってもらうという思いがとても素敵じゃないですか、、、!
「何者かにならないと」「挑戦しないと」誰もが感じことがあるであろう気持ちでもこれを「本当にそうなの?社会に思わされていない?」って一歩引いて考えてみること。たしかに!(笑)心がすっと楽になるような、とても大切な視点だなと思いました。みんなのうなずきながら聞く姿にきっと今を悩むみんなにグサッとささるものだったにことだろうと感じました。
あとは個人的に、まじめに話す前田さんに時折感じる関西風なユーモアが聞いていて面白かったです(笑)
私ももっと、本を読もうっと。
次回のゲストは誰を呼ぼうかな~★
前田さんおすすめの本
・福沢諭吉「文明諭之概略」
・丸山眞男「日本の思想」
・小熊英二「社会を変えるには」
・フランクル「夜と霧」